’99.3.13

詩の授業〜「いついまいかいや!」

                           

 実施学年は6年生。以前3年生にも実施したことがあって、子供たちに好評であった詩である。

 教材詩は、谷川俊太郎作「いついまいかいや!」である。

 野田芳朗氏の原実践を参考にした。

 以下の詩である。


  いついまいかいや!
                       谷川俊太郎
 わるいのさかさま
 いい
 だまっているのさかさまは
 いう
 うみにいるのは
 いか
 かえりのはんたい
 いき
 こいがおよいでいるのは
 いけ
 ちいさないわは
 いし
 かんなでけずって
 いた
 かずのはじまり
 いち
 おたんじょうびは
 いつ?
 ほそくてながいもの
 いと
 ねこがきらいな
 いぬ
 さっきのあとの
 いま
 たべておいしい
 いも
 いじめっこは
 いや!
 

 

○ 授業記録

 題名をだまって板書する。


 いついまいかいや! 
 

 


指示1 これ読んでください。 
 

 同列の数名の子供を指名し読ませる。

 いろんな読み方をする。笑いもでて、なごやかに始まる。

 「どう読んだらいいのでしょうね。」と言って、作者名を板書する。


 谷川俊太郎
 

 


指示2 先生が、これからゆっくりと書いていきますから、間違わず視写しなさい。
 

 以下を板書する。


 わるいのさかさま
 いい
 だまっているのさかさまは
 いう
 うみにいるのは
 いか
 かえりのはんたい
 いき 
 

 ここまでを一気に書かせる。


指示3 書いた人から自由に立って、一回読んでごらんなさい。
 

 全員が着席したのを確認して、続きを板書する。

 


 こいがおよいでいるのは
 

 


発問1 さて、次にはどんな言葉が来るでしょう。
 

「わかった。」「あれだ!」「えっーなに?」子供の声が教室に飛び交う。


指示4 多分、この言葉じゃないかなぁと見当ついている人立ちなさい。(10名ほど立つ。)はい、立っている人も座っている人も予想した言葉をその次に書きなさい。
 

 立っている1人を指名し答えさせた。「いけ」と言う。

 他の子も「同じです。」と言う。


指示5 その通り。よく分かったね。すごい!座って花丸しなさい。
 

 すかさず問う。


発問2 どうして「いけ」だと思ったの?
 

 1人を指名し、答えさせた。子供は次のように答えた。


 問いかけられていて答えるという感じだから、始めの方の文を見ると、みんな「い」で始まっているからです。
 

 


説明1 すごい!○○さんは、この詩の秘密を一気に二つも見つけてしまいました。
秘密その1。始めの一文字がすべて「い」で始まる言葉っていうこと。(板書)
秘密その2
。前の文が問いかけになって、次が答えになっていること。(板書)
すばらしい!
では、続きです。
 

 詩を続けて板書する。


 ちいさないわは
 

 

 


発問3 では、次に続く言葉は何ですか。
 

 「いし」と子供たち。

 「はい。その通り。『いし』ですね。」と板書する。

 続けて板書。


 かんなでけずって
 

 


発問4 次にくる言葉は何? 
 

 子供たちからすぐ出てこなかったので、ここはすぐ教師の方で『いた』と板書した。

 思わず「ああー、なるほど。」という声。


指示6 次が分かった人は、すぐ手を挙げるんだよ。
 

と言って、テンポ良く次を板書。


 かずのはじまり
 

 一人を指名する。「『いち』です。」

 「その通り!」と言って『いち』と板書。続ける。


 おたんじょうびは
 

 


発問5 これ分かるかな?何だろう。
 

 一人指名。「いはん。」と答える。

 すかさず,○か×か問う。全員×と言う。


発問6 なぜ×なの?
 

 一人指名した。次のように子供は答えた。


 今まで,全部二文字だったのに,三文字だから。
 

 


説明2 えらい!見つけちゃった。秘密その3見つけちゃった!
秘密その3は、全て二文字でできている(板書)ことなんだよなあ。
すごいなあ。
 

「まだつづくよ。」と言って、『いつ』と板書。

 そして、『ほそくてながいもの』と板書。

 いよいよ、このあたりで子供たちも乗ってくる。

「あっ、分かった!」という声が多くなる。

 一人を指名して答えさせる。

『いと』という言葉が難なく出される。

 笑顔でうなずいて『いと』と板書。


ねこがきらいな
 

 


発問7 「ねこがきらいな」何だろう。
 

 一人を指名。「いぬ。」と答える。「その通り!」と教師。

『いぬ』と板書。

「はい。次。」『さっきのあとの』と板書。

 子供たちは、この間、問答しながらノートに視写していく。


発問8 「さっきのあとの」何かな?
 

 ノートに書かせる。もたもたさせない。

「あとで書こうとしない。いま書く!いま書くんだぞ!」と強調する。

 一人を指名。「いま。」と子供。「その通り!」と言って、『いま』と板書。

 さらに次を板書。


たべておいしい
 

 


発問9 さあ、次に続く言葉は?
 

 ここまでくると、ほとんどの子供がピーンと来る。

 同様に一人指名。「いも。」と答える。ピッタシカンカンである。

 「その通り。」と言って、『いも』と板書。

 「それでは最後です。」と言いながら、次の文を板書する。


いじめっこは
 

 


発問10 さあ、このあとに続く言葉は何でしょう。ノートに書きなさい。
 

 「いじめっこはすき?」と聞くと「きらい。」と子供たちは、にこやかに言う。

 この答えを知っているのであろう。

 一人を指名した。

 「いる。」と答えた。「なるほど。いいけどさあ、いちゃ困るんだよなあ。」と言って隣の席の子供を指名。

 「いや。」と答えた。「その通り!」『いや』と板書。


指示7 さあ、みなさん。もう一度題名を読んでみよう。さん、はい。
 

 一斉読みしたあと、何人かに読ませる。

そして「いつ/いま/いか/いや」と区切って読めばいいことを全員で確かめ合った。

子供たち、「そうだったのか。なるほど。」と納得。


発問11 実は、この詩にはね。もうひとつ秘密があります。
(「えっー。」「なに?」の声)分かる?
 

 十数名から手が挙がる。

 一人を指名して答えさせてみた。その子は次のように答えた。


問いかけの次の言葉が、「あいうえお順」にならんでいます。
 

 


説明3 すごい!なぞを解いてしまった!天才だ!
その通りです。二文字が五十音順になっている。(板書)それが、秘密4!
 

「おっー。」という歓声があがった。


指示8 よく解けましたね。詩っておもしろいね。
こんなたくさんの詩に出会って、いろんなことを知っていく。
素敵なことですね。
それでは、最後にみんなで谷川俊太郎さんの「いついまいかいや!」をいっしょに読んで終わりましょう。
 

 リズムがあって、声がそろっていて、とてもいい音読であった。

 最後の「いじめっこは いや!」は、とても歯切れが良く、声のボリュームもマックスに!

 子供も教師も、とても気持ちよく授業を終えることができた。

 どの学年でも、どのクラスでも気軽に楽しめる詩の授業である。お試しあれ。

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