TOSSLAND
’01.11.15
BACK HOME
▼ はじめに
(ねらい)
|
国歌に込められた「我が国への思い」は、世界各国同じであることに気付く。
|
伴一孝氏の原実践をふまえ、佐々木逸人氏の実践を修正追試した。
▼ 授業の流れ
子どもたちに以下の詩をプリントした紙を配付する。国名は( )で空欄にしてある。
|
A(フランス国歌)
ゆけ 祖国の国民
ときこそ いたれり
正義のわれらに
旗は ひるがえる
旗は ひるがえる
聞かずや 野に 山に 敵の叫ぶを
悪魔のごとく 敵は血に飢えたり
たて 国民 いざほことれ
進め 進め あだなす敵を ほふらん
B(中華人民共和国国歌)
起て! 奴隷となることを望まぬ人々よ!
我らが血肉で築こう新たな長城を!
中華民族に最大の危機せまる
一人ひとりが最後の雄叫びをあげる時だ
起て! 起て! 起て!
敵の砲火をついて進め! 敵の砲火をついて進め!
進め! 進め! 進め!
C(イタリア国歌)
友よ 立てよ (イタリア)めざめぬ
シオピの兜を 頭にいただき 勝利はいずこぞ
勝利は神に つねに ローマの手の中に
つるぎを とれ
命ささげん
命ささげん 国のため
おう!
D(アメリカ合衆国国歌)
われらが旗 星条旗よ
夜明けの空 夕べのもやに
常に見ずや きらめく旗
弾丸降る いくさの庭に
頭上高く ひるがえる
堂々たる 星条旗よ
おお われらが旗 あるところ
自由と勇気 ともにあり
E(イギリス国歌)
神の救い
われらが女王にあれ
幸と勝利 栄光あれ
栄え給え わが女王
F(オーストラリア国歌)
祝えや国民 自由の国
黄金は満ちみち
海と山の幸に恵まれし 富める国よ
歴史に残さん わがよき国
歌いて祝わん わがよき国
G(大韓民国国歌)
東海(わだ)に水涸れ 白頭山野(みねの)のたらむまで
神保(かむ)佑(まも)り給はむ 万歳(ときは)が世を
無窮花(むくげ) 三千里 華麗(かむばし)の江山(くに)
大韓人(からひと) 大いなれ 長久(とは)に保全(さか)えむ
H(日本国国歌)
君が代は
千代に八千代に
さざれ石の
巌となりて
苔のむすまで
(※出典「世界の国旗国歌」大泉書店)
|
Aの詩を範読する。その後、1行ごとに追い読みさせる。B〜Dも同様に読む。
分かりにくい言葉は教師側で簡単に説明する。その後の指示。
|
指示1 A〜Dは、それぞれ違う詩です。これらを読んで、気付いたこと、分かったこと、分からなくても思ったこと何でもいいから、箇条書きでノートに書きなさい。
|
2〜3分で切り上げて、列指名で7名ほどに発表させる。
その後、他に書いた子供に自由に言わせた。
|
・戦争みたいだ。
・戦争中の詩だと思った。
・戦争で自分の国の勝利を願っているような詩だ。
・中華民族と書いてあるところには、日本人も関係して入っているかも知れない。
・戦争などで勝って自由を求めている。
・戦争が始まりそうな感じがする。
・星条旗はアメリカの国旗だ。
・Aは戦争に行く前でB〜Dは戦争に行った後のような詩だ。
・Bは中華人民共和国の詩だと思う。
・Cはローマと書いてあるから、ローマで書かれた詩だと考えます。
・どこかの国の詩だと思う。
|
短い時間で、いろいろ発見できたことを誉める。
|
説明1 これらは、国の歌、国歌の歌詞を日本語に訳したものです。
|
「やはり。」というような表情の子供もいる。
|
指示2 それぞれどこの国だと思いますか。(イタリア、中国、アメリカは容易に出た。)では、実際に国歌を聴いてみることにしましょう。
|
ここで、事前にカセットテープに録音しておいたA〜Dの国歌を順に聴かせる。
時間の短縮を図るために、国歌を聴かせながら、音の邪魔にならぬように、以下のように国名と簡単な解説を入れる。
そして、子供たちには( )に国名を書き込ませる。
|
(解説)
A フランス・・・1792年フランス革命がありました。その3年後国歌とされました。
B 中国・・・1949年に国歌になりました。「敵」というのは、どうやら日本だと言われています。
C イタリア・・・1946年に国歌となりました。
D アメリカ・・・1931年選定された。1814年に起こった米英戦争の最中、一晩中続いた砲撃の中で見た星条旗からこの歌詞ができました。
|
A〜Dまで聴かせた後、E〜Hの歌詞を範読する。
続いて、音読させる。Eは一斉読み、Fは教師との交互読み、Gは連れ読み、Hは実際に歌わせるなど読みに変化を付ける。
分かりにくい言葉は、先ほどと同様に教師側で簡単に説明を加える。
ところで、ここで,様々な論議を呼んだが国歌と制定された「君が代」について触れる必要がある。
|
説明2 「こけ」というのは,じめじめとしたところに生える植物です。「むす」は漢字で書くと「生す」「産す」です。「さざれ石」とは小さい石のこと。「いわお」は大きな石のかたまりです。小さな石が川から海に流れ,海の底につもり,大きな力で押さえられて固まり,「いわお」となるのです。「千代に八千代に」は,千年万年といつまでもという意味です。「君」はここでは天皇のことです。天皇を象徴として日本の国がいつまでもいつまでも栄えていくことを願っている歌なのです。
(ここの語りは,奈良県 近藤光弘氏の追試。)
|
|
指示3 さて,これらもある国の国歌の歌詞です。E〜Hまでを読んでみて、気付いたこと、分かったこと、思ったことを先ほどと同じようにノートに書きなさい。
|
2分程度で中断させ、書けた子供から自由起立発表させる。
|
・Eは「女王」というのを強く主張しているようだ。
・Gの「からひと」というのは、韓国人のことだと思う。
・「神」と言う言葉がある。
・Gは難しい漢字がいっぱいある。
・自分の国を誇りにしているように感じた。
・Eは勝利と栄光へ前進していくという感じ。
・Fは、国が恵まれていることを他へ伝えたいという気がした。
・A〜DよりE〜Hの方が、何か平和な感じがする。
|
以上のように、さきほどのA〜Dの歌詞と対比して答える子供もいた。
発表後、先ほどと同様に簡単に解説を入れながら、国歌を聴かせる。
|
(解説)
E イギリス・・・作詞作曲者ともに不明ですが、作られたのは17世紀にさかのぼるとされています。この曲のメロディーは世界の様々な国で歌われています。
F オーストラリア・・・今の国歌になる前は、イギリスの国歌だったそうです。
G 韓国・・・1948年に大韓民国として正式に国として認められたのといっしょにこの歌が国歌として選ばれました。
H ご存じ君が代です。知らない人はいないはずです。
|
|
発問1 A〜Dを一つのグループとしましょう。E〜Hも一つのグループとして考えてみましょう。さて、A〜Dにはあって、E〜Hにはないものは何でしょう。
ズバリひと言でノートに書きなさい。
|
発表させる。板書はべん図で表した。以下のようなことが出された。
|
・「!」が多い・戦い・旗・憎しみ・敵・血・命・つるぎなどの武器
|
|
発問2 それでは、E〜Hにはあって、A〜Dにはないものは何でしょう。
ノートにズバリ短く書いてごらん。
|
これは難しいかも知れない。とりあえず書けた子供に言わせてみる。
|
・栄光・平和・幸福・願い・平和への思い・繁栄・憎しみがない・神が出ている・純粋さ・君や女王などが出ている。・日本などはおだやかで平和っぽい。
|
出てこなければ、教師側で告げてもいいと思われたが、以上のように結構出された。
|
発問3 A〜DとE〜Hのどちらにもあるもの、つまりA〜H8つ全てに共通してるものは何でしょう。同じようにノートに書きなさい。
|
子供たちは「国のためにつくすこと」「国への思い」「自国を誇りに思っている」「国を守ること」「国民のこと」と答えた。
|
説明3 それぞれの国歌には、その国民の歴史や思いが詰まっています。
忘れられない革命や戦争の歴史で築かれた国は「血」や「いくさ」や「つるぎ」「敵」という言葉で、心を一つに国のためにという国は「女王」「神」「くに」「君(天皇)」という言葉で表現しているのです。
しかし、どんな国であろうとも世界各国共通しているのは、我が国を愛する心と幸せ、栄えること、そして平和を願う気持ちなのです。
そこに、違いはないのです。
|
|
指示4 今日の授業に自分でタイトルを付けて、授業の感想2行程度でいいからノートに書きなさい。
|
全部の曲を小さな音量でBGMに流しながら書かせた。
数名にでも発表させたかったが、40分授業で時間不足のため断念。
ノートを提出させ、授業を終えた。
▼ 子供の授業後の感想から
|
<世界の国歌>
今日は8つの国だけだったけど、それぞれの国歌には意味があることを初めて知った。
<国を思う心>
それぞれの国歌は、自分の国を大切にしたいと思っている歌だなと感じました。みんなどの国歌もいいなあと思いました。
<我が国の誇りの国歌>
どの国も自分の国を慕うことは変わらないと思った。私も日本という国を誇りに思いたいです。
<国歌に表れる国民の思い>
どこの国の人も幸せを求めていて、自分の国のことを誇りに思っていることが分かった。<どんな国でも願いはひとつ>
どんな国でも願いはひとつだった。自分の国が平和であるようにと言うこと。
<国を守れ>
今日はとてもすごいことを知った。普段聴いているアメリカやフランスの歌などもこんなにすごいことを言っていたとは驚いた。
<幸せの国歌>
ぼくは、一番日本の国歌がいいと思いました。それに、中国は血肉とかが出てきて、あまりいいとは思えませんでした。
<世界の国歌>
オリンピックで「敵の砲火をついて進め」って歌っているなんてびっくりした。
<国歌の違い>
イタリア・フランスがサッカーのワールドカップでこんな歌を歌っていたとは思えない。
<国民の思いを国歌に>
国歌は当時の国民の気持ちを表していると思った。
<希望の国歌>
いくら国が違っていても、戦争を起こしていても、伝えたいことや国への願い・希望は同じだと思った。
<世界はみな同じ気持ち>
いくら戦争をしていても、やっぱりみんな同じなんだと思った。誰だって平和でいてほしいから。国歌はなくてはならぬすばらしいものと思う。でも、フランスの国歌はおそろしいと思った。
<我らが国歌>
聞いたことのない国歌を聞くことができてよかった。A〜Dの国は「我々は強いぞ!」って言っているようだ。
<世界の共通点>
世界中の国歌の中には、必ず共通点があることが分かった。国を守り、国のために尽くすことである。
<人々は国歌を誇る!>
ぼくは日本に生まれてきたことを誇りに思っている。
<国歌の歴史>
中国は、まだ日本を恨んで国歌にして日本の憎しみを忘れないようにしているのかも知れない。
<ひとつの国歌とひとつの心〜ふたつでひとつの願い>
テレビなどで聞く国歌にもこんな深い意味があることが分かった。これからも大切に歌ってほしい。
<国歌にこめられた願い〜幸せを望むこと>
国も言葉も違うけれど、願っていることはみんなひとつで少し感動しました。
<世界の平和と幸せを願う国歌>
すべての国の国歌には、自分の国を誇りに思う言葉が入っていることが分かった。世界の平和や幸せを願わない国はないことが分かった。
<国歌から見える国への思い>
国の繁栄を願うのはどこの国も同じ。国歌からこんなことが分かるなんてびっくりした。<国歌から見えるもの>
日本の国歌「君が代」は、かなり平和な国歌だと思う。どこの国も平和を願わない国はいない。
<国歌の真実と国を想う心>
中国は未だに戦争のことを引きずっていてびっくりした。でも世界の平和・幸せを願う心、国を愛する心は同じであると分かって少し安心した。
<国歌に込められた思い>
ひとつひとつの思いが込められている。よく考えると「君が代」は平和だなあと思った。
|