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NO.52
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物語教材の授業〜「つり橋わたれ」3年 |
1.はじめに
本教材文「つり橋わたれ」は、光村図書の教科書3年上に掲載されている有名ファンタジー教材である。
指導に当たっては、配当時間を8時間としたが、これでもまだ時間のかけ過ぎの感がある。「全体精査」から「部分(焦点)精査」への
転換を図らなければならない。「確認となぞり」の授業からの脱却をめざすことが、文学教材の精読主義の克服であり、本来の作品としての“読みの楽しさ”を味わうことなのである。
さて、ここでは、ノート見開き100問の発問作りを通して、その発問をさらに絞り込み、授業を構築してみたい。
以下、本教材の発問群(65問)である。もちろん、すべてを問いかける必要性はない。子供の読みの実態に合わせながら取捨選択して授業に臨んでいいと思われる。
なお、★は(討論可能のぜひおすすめ)であり、☆は(ちょっとした討論可能)の発問である。
2.授業の展開と発問
Ⅰ全体読み(範読・連れ読み・指名無し音読)、新出漢字、言葉の意味
Ⅱ題名読み・初感・イメージ
(1)題名は何ですか。
(2)「つり橋」って、どういう橋のことを言うのですか。
(3)「つり橋わたれ」と「つり橋わたる」とは、どう違いますか。
(4)挿絵は、いくつありますか。(→6つ)
(5)この物語を読んで、気づいたこと・感じたこと・思ったことを3つ以上箇条書きで書きなさい。(→指名なし発表)
(6)このように不思議な出来事に出会うお話(物語)を何というか知っていますか。(→ファンタジー)
(7)この物語を読んで、目に浮かんできた色は何ですか。(→緑色が多いと思われる。)
☆(8)この物語でなくてはならない色は何ですか。
Ⅲ登場人物と主人公、季節、入り口と出口の検討
(9)この物語の中に出てくる登場人物をすべてあげなさい。 (→トッコ・サブ・タケシ・ミヨ・おばあちゃん・かすりの着物を着た男の子)
(10)主人公(中心人物)は誰ですか。(→トッコ)
★(11)この物語の季節は、いつですか。(→初夏)
(12)それは何からわかりますか。わかる言葉を探しなさい。
(→畑仕事・花・ちょうちょ・小鳥の巣・カッコウ・シラカバのこずえ・ホオの木の広い葉・山ツツジ・挿絵の半袖等)
★(13)トッコの不思議な出来事は、どこの文から始まりますか。その文を見つけて線を引きなさい。
(→P48それが〜P49ふきつけました。)
☆(14)トッコの不思議な出来事は、どこの文で終わりますか。その文に線を引きなさい。
(→P53そして、また、どっとかぜがふきました。)
(15)トッコの不思議な出来事の入口と出口に、決まって出てくるものがあります。それは何でしょう。 (→風)
Ⅳ 文章構造の検討と把握
(16)このお話は、いくつの事件からできていますか。(→4つ)
(17)1つ目の事件は、どこまでですか。(→べっかんこしたところ)
(18)1つ目の事件にタイトルをつけなさい。「〜トッコ」と書きなさい。(→「つり橋をわたれないトッコ」)
(19)2つ目の事件は、どこまでですか。(→おばあちゃんがおしえてくれました。)
(20)2つ目の事件にタイトルをつけなさい。(→「山びこを発見したトッコ」)
(21)3つ目の事件は、どこまでですか。(→そしてまた、どっと風がふいてきました。)
(22)3つ目の事件にタイトルをつけなさい。(→「つり橋をわたれたトッコ」)
(23)4つ目の事件にも、タイトルをつけなさい。(→「山の子たちと遊べたトッコ」)
★(24)トッコが、がらりと変わったのは、いくつ目の事件ですか。(→3つ目)
☆(25)それは、どこの文ですか。指を置いてごらん。(→トッコも知らないうちにつり橋・・・)
(26)このようなお話の山場を何と言うか知っていますか。(→クライマックス)
Ⅴ中心人物トッコの検討
(27)トッコは、どこから来た子ですか。(→東京)
(28)どうして東京から来たのですか。(→母が病気でおばあちゃんにお世話になるために。)
(29)トッコは何年生ですか。
(30)トッコはどんな女の子なのですか。本文から分かることを何でもいいからノートに箇条書きで書きなさい。
(31)P42「はやす」と「言う」とでは、どう違うのですか。「やあい、くやしかったら〜こい。」を「はやして」音読してみましょう。
(32)「やあい、くやしかったら〜こい。」と山の子供たちがはやしたのはなぜですか。(→トッコが東京の自慢ばかりするから。)
(33)では、なんでトッコは、東京のじまんばかりしたのですか。(→弱みを見せたくないから)
☆(34)どうして弱みを見せたくないのか。トッコの弱みとは何か。(→トッコの負けず嫌いの性格とお母さんが病気でさびしい気持ちからである。橋をわたれないということではない。)
(35)トッコは、つり橋のどんなところがこわいのですか。箇条書きで書きなさい。(→下は谷川ゴーゴー・せまい・よくゆれる・長い・今にも切れそう・ギュッギュッときしむ等)
(36)「足がすくむ」とはどういうことですか。
(37)こんなつり橋を見ているトッコの顔を絵にかいてみなさい。
(38)この様子をみなさんに表現してもらいましょう。(→身体表現)
Ⅵ音読 指導を中心に心の変化の読み取り(その1)
(39)この物語には、会話文はいくつ出て来ていますか。番号を振りましょう。(→1〜33)
(40) それぞれ誰が言ったせりふですか。ノートに番号を書いて誰が言ったのか書きなさい。
(41)山の子どもたちは、つり橋をわたったのですか。(→わたった。)
(42)山の子どもたちは、挿絵ではどちら側にいますか。(→左側)
(43)では、トッコのおばあちゃんの家は橋の右側?左側?どっちにあるの。(→右側である。)
(44)その時、トッコは何を見ていたのですか。(→橋である。)
☆(45)P44おばあちゃんは、トッコがさびしがるといけないと思って、子どもたちを三人もよんできました。
「①子どもたちを②三人も③よんできました」どの言葉を強く読んだらいいですか。(→②である。)
★(46)トッコが独りぼっちになってしまうことになる、トッコの始まりの会話文はどこですか。
(→「ふんだ。あんたたち〜。」べっかんこして〜 。)
(47)みんなも、べっかんこしてごらん。(→身体表現)
(48)トッコが、一人遊びをしている部分を本文から抜き出して書きなさい。
(→視写・・・ノートチェック)
Ⅶ音読指導を中心に心の変化の読み取り(その2)
(49)P46〜P47の4つの「ママーッ。」は、どう読めばいいのでしょう。トッコと山びこに分かれて読んでみましょう。
(→①「ママーッ。」大きく、しかし寂しそうに恋しく、②〜④「ママーッ。」大きく、そして小さく対話するように)
(50)山びこのあとに残ったものは何ですか。ずばり一言で書きなさい。
★(51)P48トッコは、どうして急にうれしくなったのですか。ママが恋しいはずなのに。
Aやまびこが初めてなのでおもしろくなったから。
Bやまびこ遊びで、さびしさもまぎれたから。
C誰かがまねをしているようで、友達ができたみたいだった から。 (→Cである。)
(52)A「ママーッ。」、B「おうい、山びこうっ。」のAとBはどのように読まなくてはいけないか。(→Aさびしく、Bおもしろく)
★(53)P49「そばに、かすりの着物を着た男の子が立っていました。」と書いていますが、どのくらいのそばなのですか。何メートルくらい離れているでしょう。
(→1〜2メートルくらい。「聞く」「言う」「手をふりあげて」「にげる」などの言葉から、付かず離れずの2メートル以内と考えられる。)
☆(54)A「あら、あんたいつきたの。」
B「おかしな子ね。」
C「こら、まねするな。」
D「まねするとぶつわよ。」
E「おうい、どこにいるのうっ。」
A〜Eのトッコの言葉で、一番強く激しく読まなくてはいけないのはどれか。
(→D。「ぶつわよ」という言葉は暴力的響きを持つ。)
(55)P51「つり橋をトントンわたっていました。」というところは、「わたりました。」とどう違いがありますか。
(56)つり橋をわたり終えたトッコをむかえてくれたのは何ですか。
(→サヤサヤなるシラカバのこずえ・ホオの木の広い葉を通してくる日の光)
Ⅷ主題の検討
(57)「今、男の子をみなかった。」は、どう読みますか。
(→以前の強気なトッコとは違う、素直でやさしい語り口。語尾上げる。)
(58)サブが、遊んでやると言ったのはどうしてですか。
(→つり橋をわたれたからだけではない。トッコの素直な接し方・話し方にもよる
。)
★(59)「トッコが山のくらしが楽しくなった」のは、どの文からですか。
☆(60)トッコが山に来てから、つり橋をわたるまで何日かかっていますか。
(61)つり橋のこちら側(A)にいたのは、どんなトッコでしたか。
(62)つり橋の向こう側(B)に行ったトッコは、どんなトッコに変わりましたか。
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☆(63)トッコを変えたものは何ですか。
☆(64)着物をきた男の子が現れなくても、トッコはつり橋をわたれたか。それとも、その男の子が現れなかったら、わたれなかったか。わたれた○、わたれなかった×をノートに書きなさい。
(65)なぜ、男の子は、もう姿を見せなかったのでしょう。かすりの着物をきた男の子は何者だったのでしょう。