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大西洋の9人きょうだい(アソーレス諸島)
昔々、アトランティダと言う名のとても美しい人魚がおりました。いつも花を身にまとい、その髪は樹木に茂る葉のように鮮やかな
緑色で、瞳は玄武岩のように黒くつぶらでした。
熱くまぶしく輝く「太陽」はこの美しいアトランティダを一目
見るなり心を奪われ、すぐに彼女のことしか考えられなくなって
しまいました。間もなく太陽とアトランティダはめでたく結婚し、
アトランティコ(大西洋)というとても大きくて青い庭のある家に
住むようになりました。
何年かが過ぎました。アトランティダは太陽と幸せに暮らし、
その愛のあかしとして子供たちをもうけました。
まず、丸々とした小太りのマリアという人魚が生まれました。
それから恐らく聖母マリアの受胎告知をした大天使にちなんで
つけられた名前の、ミゲルというそれはそれは大きな男の子が
生まれ、次に美しい緑色のちいさな美しい女の子が生まれ
テルセイラ(3番目)と名付けました。次にとても魅力的な
グラシオ−ザ(美)という名の人魚。その次にジョルジュと言う名を
授けられたのっぽの男の子。それからまたしばらくして
ファイアルと言う名の男の子。
お次はディニスの番です。彼は皆を驚かせるほど背が高かったので
ピコ(頂き)と呼ばれました。更にまたコルボとフローレスが生まれ
ました。
太陽とアトランティダは9人の誕生をたいそう喜んで、洗礼式の
パーティを開くことにしました。近くに住む者たちをお招きして
盛大なパーティを催しましたが、恐らく忘れてしまったのでしょう、
「夜」がただ一人だけ招待されなかったのです。
彼女は嫉妬にかられ怒りに燃え、よばれなかった仕返しをする
協力者を探しました。「炎」は喜んでこれに同意し、二人で一緒に
なって混乱を巻きおこしました。
絶望と悲しみが喜びにとって代わり、
終結は静けさとなって死と破壊ののちにやって来ました。
夜と炎は9人の美しいきょうだいたちを別れさせ、
石にしてしまいました。
こうして9つの玄武岩の島が出来たのです。
この不幸な出来事があったものの、友達のプリマベーラ(春)は
毎年美しい島々を慰めに訪れました。花のキスと、谷のそよかぜや
山の美しさ、小鳥たちのさえずりを島々に贈ります。小川や泉は
不幸な出来事を悲しむ涙にせせらぎます。
こうして出来た9つの島。これが今アソーレス諸島と呼ばれて
いる島々なのです。