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バラの奇跡
アラガオン王朝のお姫様であるイザベルは、ポルトガルのディニス王との婚礼のためにはるばる遠くからやってきました。
国民と王宮の人々は、彼女が通り過ぎる国々でのその優しい
振る舞いから彼女の慈悲の心を知るにつれて、その若い表情が
輝かしく見えるのは、その魂の美しさの反映、いやそれ以上で
あると誰もが悟ったのでした。
国々全ての人々が、王妃は聖人に違いないと噂しました。
貧しい者が彼女に何かを乞えば必ず施しを受けることが
できます。何も受け取らずに帰る者はおりませんでした。
それは王様にとって不本意で理解しがたい行動であり、不満の
種でありました。
王妃の行動に王様は怒っておりましたが、それは特に人民と
仲良くしたくないということの表れではありませんでした。
ディニス王は宝箱の金銀財宝は、もっと他にいい使い道があり
そちらを優先すべきだと思っていたのです。木々を有効利用
するために植林して森林をもっと広くすること、大きな穀物
農場を作るために慎重に種を蒔くことなどに。
そうすれば、飢饉の年が続いていましたが、最終的には人々を
救うことになると思ったのでした。
王妃はこの王の意見に充分賛成致しましたが、しかし彼女の
心には王が決して理解することのない深い決意がありました。
王は既に貧しい者たちへの施しを禁じていました。
イザベル王妃はそれに従うことを約束しておりましたが、王に
隠れて常に慈悲の心で施しを行っていたのでした。
ある朝とても早い時間、王が城の中庭を横切っている時に、
王妃にばったり出会い驚きました。王妃はとても急いだ様子で、
長いそのスカートの端を両手に持ち、そのスカートのたるみに
何か隠して誰にも知られないように運んでいるようでした。
実際のところ、王妃は王宮の台所から出てきて、そのスカート
には小銭の入った袋と、焼いたばかりのパンがたくさん入って
いたのです。
それは今では城の誰も通ることのないはずの、開かずの扉の
向こうで待つ、飢えた人々に施すためのものでした。
王は即座に何が起きているのかを理解し、妻の裏切りに震え
その顔色は蒼白になりました。しかしそれをかろうじて隠し、
微笑んで丁寧に妻に尋ねました。
「私の妻よ、ずいぶんと早起きだな。
君が今そのスカートに入れて運んでいるものは何だ。」
イザベルは答えました。
「これは・・・バラの花ですわ。あなた。
今摘んだばかりの・・・・。」
「バラだって?! 一月のこの時期にか!
そんなもの今まで見たこともない!」
王妃のその見え透いたしかしあどけない返答をおかしく思い
ながら、王はつめよりました。
「そんなに不思議なことでしょうか、あなた。」
そう言うなり王妃がスカートの裾をひろげて見せたその時、
奇跡が起こりました。
パンとお金の袋が入っていたはずの、そのスカートからは
ひとかかえのバラがハラハラとこぼれるように舞い散ったのです。
「バラの奇跡」と呼ばれるこのお話は、ポルトガルで昔から
知られている、有名なお話の一つです。