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【日常】電脳病9


 家のすぐ前にある、よく行くレストランに入りました。

「ここ、石焼きステーキがおいしいの。」と私が言うと

「んー、じゃあそれにしようかな。」とeさんは言います。

「いや、おいしいと言ってなんなんだけど、牛ですよぉ。

 牛食べられる?」

 

 この頃は狂牛病がかなりやばい、とポルトガルでも話題になっていました。

新聞でも毎日のように取り上げられています。

それでもレストランに行けば牛がメニューからは消えておらず、

ポルトガル人も余り気にせずバンバン牛料理を頼んでいました。

結局eさんは石焼きステーキを頼み、私は全く食欲がわかないので

オムレツを頼み、ビールを飲んで暫く話しました。

「変ですよね。あれ。なんでなんだろう。」

「うん・・・・・もうこの1週間ずっとこれに振り回されてくたくた・・・・・。

 ごめんねー、暗くて。」

「いやいやいや・・・・・。」

話していないと気持ちが暗くなるので会話がとぎれないようにずっと話して

ました。

「昨日なんてウチのダンナ、狂牛病実行ファイルとか言うの送って

 来たんだよー、信じられない。」

と言うとeさんは笑っていました。eさんは事務所のコンピューターを

ウィルスにやられたことがあるらしく大損害を被ったらしいです。

私だって今回こんなことになるまで、真剣に考えたことなんてなかった。

ウィルスなんて自分のコンピューターに感染するなんて思わなかった。

ウィルスの怖さはパソコンへの思い入れプラス実際の被害がないと、

分からないのだろうな・・・・・。

肉が運ばれて来ました。

「こうやって焼くんですよ。」

四角くて黒い石の上にマーガリンを落とし、にんにくを焼いてから

分厚い肉を乗せます。ジュウジュウといい音と煙を出している肉に

粗塩をパラパラと振りかけます。

「うまそうですねえ。そろそろいいですか。」と言いながらeさんは

肉を切り分け口に運ぶと「うん、美味いですね。」と言いました。

「くりさんも食べてみます?」

「ううん、ありがとう。私は今食欲ゼロなんで、気持ちだけ。」

ビールが空いたのでワイン頼んでまた暫く話して、それから家に戻りました。

「僕、もう少し見てみますよ。」

「ごめんね。お願いします。」

 

 eさんがIBMのノートをチェックしている間、私は富士通のデスクトップ

パソコンに行ってちょっとだけ掲示板とHP、そしてニフティのパティオと

メールをチェックしました。

それからデスクトップパソコンにウィルス全検索をかけます。

昨日出た狂牛病の他の赤マーク、ウィルスではないものの不良と出ているもの、

削除してはいけないものなんだろうか?

そう思い居間にいるeさんに「子供部屋のパソコンをちょっと見て貰えます?」

とお願いして子供部屋に移動して貰いました。

「このcommand\format....って言うのは削除したらまずいですね。」と

eさんは言います。「じゃあ他のは?」「cabのも・・・削らないほうがいい

でしょう。」「でも赤マークついてるけど、このまま使っても大丈夫なの?」

「ソフトによって、読み込めない時に不良って出ますからね。

これ取ってしまったら使えなくなるかもですし。」と言います。

うーん、そういうもんなの?と思いつつ、私よりもパソコンに詳しそうな

eさんがそう言うのだったら・・・・と思いました。

「ノートのIBMの方はやっぱり同じ?」

「画面直らないですよねー。なんかすみません。」

「ううん、来て貰って心強かったです。こっちこそ忙しいのにごめんなさい。」

「直して帰れれば良かったんですけど、却ってこんなことになっちゃって

 悪いです。」

「ううん、いいです。ありがとう。」

 

 eさんが帰りました。

ノートのIBMとデスクトップの富士通両方にクラスタスキャンをかけ、

それからMTX駆除修復ツール、続いてシステム検索をかけました。

胸の中にはずっと不安がわだかまったまま。

こびりついたまま消えません。

検索をかけている間は手持ち無沙汰で、家の中のことをするのですが、

手や体は動くものの、心の中は真っ暗なままです。

何で初期化が出来ないのか。

どうしてCDを入れているのにちゃんとインストール出来ないのか。

画面は小さくなってしまった。どうしたらいいんだろう。

ずっとずっと、考えていました。

 

 かなり時間が経って、検索が終わりました。

不良のついた赤マークは昨日出たものと全く一緒。

ため息をつきながら、富士通のデスクトップのほうのネスケを立ち上げメール

チェックをしました。

 

「受信しています。1/2.....2/2......。」

 

 なんだろうこれ。

時間かかってるからファイルだ。

またファイル?? 誰??

 

出てきたメールを見て私は凍り付きました。

 

 差出人はS。

送られて来たファイルは2つとも同じもの。

昨日、IBMのノートで受け取ろうとして、2度送って貰って消えて

しまったあの2/2のファイル!

どうしてIBMのノートで前日受け取れなかったものが今?

なんで今? こっちのパソコンに??

 

 そしてネスケの画面を見て更に私は凍り付きました。

メールは通常、受信の時に各メールフォルダに入ります。

Sさんのメールフォルダは実は富士通のデスクトップパソコンには

ありませんでした。普段通信で使っていなかったので特に作って

いなかったのです。フォルダは、マリシオと、メルセデスと、

受信メール、の3つ。

通常なら「受信メール」のフォルダにSさんのメールは入るはずです。

でも、そこには作った覚えのない、あるはずのない、もう一つの

メールフォルダが出来ていました。それは・・・・。

 

(-^-)

 

人の笑った逆さの顔文字のメールフォルダだったのです・・・・・。

 

 漠然とした不安が猛烈な恐怖になりぶわっと膨れ上がりました。

(削除しなくちゃ・・・・!!)

削除しようとマウスに触れますが指が震えます。

メールフォルダごと削除してすぐゴミ箱を空にしました。

なぜ? どうして今あのファイルが来たんだろう。

こんなことが起きているのに私はまだ富士通のデスクトップは使えるの

だと思っていました。MTX駆除修復ツールでは引っかからないし、ワームが

いるわけでもない。不良ファイルは4つあるけど・・・・・。

(まだいるかもしれない。あの顔マークがまた現れるかもしれない。)

すぐMTX駆除修復ツールをかけ、それからまたウィルス全検索をかけました。

怖くてたまらなくなりSさんにすぐ電話をしました。

起きたばかりのことを話したらとても驚いていました。

 

「もうパソコン買おうと思ってる。」と私が言うとSさんはびっくりして

「でも帰国まであとちょっとじゃない。」と言います。

「でもこういう状態は耐えられないし・・・・。 」と言うと、Sさんは

「じゃあウチにある使ってないパソコン貸してあげるよ。

 出来るだけ早く送るから。」と言ってくれました。

地獄に仏! 嬉しいけど・・・・いいのだろうか・・・・。

「送るの大変じゃない?」

「でも場合が場合だからねー。買ったもの送るよりもいいんでない?」

「悪くない?」

「いいよ。使ってないから。ただ中身を整理してからじゃないとね。

 今日明日で・・・・土曜日に送ることが出来ればいいんだけど。」

「うーっ、ありがとうー。感謝ですー。」

「あと届くまで時間かかるだろうから、やっぱりIBMのノート

 再インストールやってみたら。」

「でもうまく出来ないんだ・・・・。 人にやってもらってもダメなんだよ。

 画面小さくなっちゃった。」

「ああ、それたぶんドライバ関係が入ってないんだ。そもそも

 最初の初期化からしておかしいんでしょ。それね、IBMの

 ヘルプセンターに電話して聞いたほうがいいよ。電話番号わかる?」

「うん、わかる。」

「今日頑張って夜中まで起きていてさ、聞いたほうがいいよ。

 今サポート部門ってちゃんとしてるし親切だと思うよ。」

「うん、じゃあそうしてみる。」

少しだけ気分が明るくなって電話を切りました。

息子の寝室ではパソコンのファンの音がブーンと鳴っています。

 

 居間のIBMのパソコンのところに行き、インタに繋ぎました。

(IBMのサイトに行ってみよう)

とっても疲れていました。

サイトに行くと、ディスプレイドライバやらいろいろ、

Windows95版のが見つかり、これは落としたほうがいいかも、と

2時間くらいかけてそこにあるもの全てを落としました。

 

 その夜、別の知り合いに頼んでいたwsock32.dllが2つ届きました。

「WINDOWS95のバージョンの違うもののなのだけど、それぞれ使ってみて。」

と書いてありました。ただその置き換え方法が分からず、その日は手を

つけずにおきました。

 

 午前1時まで寝ないようにしてIBMのヘルプセンターに電話をしました。

日本では朝10時。えんえん現象を説明して、事情を話すとあっと言う間に

30分ほど経ちました。そしてやっと初期化の仕方が分からないと言うと

「説明書は持ってないですか。」と聞きます。

「引っ越しした時のどさくさからか、どうしても見つかりません。」

「うーん、フォーマットは複雑ですからね・・・・。」

「今ここにパソコン持って来ます。ちょっとお待ち下さい。」

居間にとんで行き、パソコン一式を持って自分の寝室の電話のところに

戻りました。

「ここで説明を聞きながらフォーマットしたいです。」

「ああ、でもお客様、電話で話しながらでも、絶対説明を読みながら

 のほうがいいですから、いったんFAXで送りますよ。」

「海外に送って貰えるんですか。」

「いえあの、海外には送れません・・・・申し訳ありません。」

「じゃあ誰か知り合いとかの家ならば送れますか。」

「国内ならぱ大丈夫です。」

「じゃあ友達の家に送って下さい。友達から転送して貰いますから。」

「FAX番号をお知らせ頂けますか。」

「ちょっとお待ち下さいね。」

居間に戻りアドレス帳を持ってまた寝室に戻ります。

 

「フォーマットしたらまた元のようになるんでしょうか。」

「アプリケーションCDはお持ちですか。」

「はい、あります。」

「ああ、じゃあそこにドライバとか入ってますから、戻りますよ。」

「画面が小さいのもですか。」

「ええ、だって再インストールした時点では何もドライバが入って

 いないですから、小さいのは当たり前なんですよ。」

「そうなんですか。」(私ってば無知だなあ)

「ですから、その小さい画面が出たあとに、製品のドライバを

 入れて行けば元に戻ります。」

「難しくないですか。」

「手順通りにやれば大丈夫ですよ。ああただDosのドライバも

 必要ですよね。kaxu****って言う・・・・。」

「あ、最新のドライバ関係は今日IBMのサイトで落としました。」

「ああ、そうなんですか。それなら問題全然ないですよ。」

 

SさんののFAX番号を告げ、電話を切りました。時計は既にもう2時でした。

それからSさんにわけを書いたFAXを送りました。

この日はとても疲れていました。

まだ暗い気持ちではあるものの、ベッドに入ったらすぐに眠ったようです。

 

(つづく)

 


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