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クリスマスツリー
北は遠くデンマークに、松やリンデン、モミやオークの木々からなる、ある大きな森がありました。そこにはある男が家族と一緒に
住んでおりました。
毎年奥さんと、両親と可愛い子供たちとクリスマスを楽しく
祝ったものでしたが、あるクリスマスの深夜の宴の終わりに、その
翌年は家族とともにそこにいられないのだと打ち明けました。
遠く聖地に巡礼の旅に出るからです。
そして、それからその時代ではとても長く危険な旅に出かけました。
1年後のクリスマスの日、彼はパレスチナにおりベレンの洞窟に
向かっておりました。この夜、1年後には無事に家庭に戻り家族と
共にクリスマスを過ごしたいので、どうかどうかこの巡礼の旅の
間私をお守りお導き下さい、と天使に強くお願いしました。
2月の終わりに他の巡礼者たちと一緒に戻った時、その中のお金
持ちなヴェネツィアの商人が彼を自分の豪邸でもてなしたいので
暫く滞在しないか、ともちかけました。しかし彼はそこを早く出発
したいと願い、その1カ月後にはジェノバの方をめざし進んでおり
ました。フランドレス地方に行く船に乗るためです。
しかしまず最初に病気が彼を突然襲い、次には船がないために
陸地を馬で進まざるを得なくなりました。
食べる時と眠る時以外は休むことなく、自分の故郷にクリスマス
までに到着することだけを熱望し、進み続けました。
しかし、ようやくフランドレスに到着した時には既に冬になっており、
川も海も凍りついてしまっていたため、船で渡ることが出来なく
なっていました。再び陸地を旅しようと決意し、何週間も進み続け
ました。クリスマスイブの前日、自分の故郷の森まであと少しの
ところにある、小さな集落に到着しました。
12月24日、暗く茂る森の中を、自分の身の回りの危険もかえり
みずに歩き続けておりました。雪が降り、暗闇からは狼が様子を
うかがっています。
道に迷い寒さに震えながら、しかし諦めませんでした。
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静けさの中で男は勇気を奮って前進しつづけました。
道に迷ってしまったため、何も見えず何も聞こえない中、純粋に
希望を持ち勘だけで進みました。枝葉が顔に触れます。
北も東も分からず、進み続けました。
馬が雪の中に埋もれ、歩みはいちだんと遅くなり、そしてついに
立ち止まってしまいました。男は鞭で馬を促しましたが、ぴくりとも
動きません。
(今晩、ここで死ぬのか。) 男は思いました。
それから、星をちりばめたエルサレムの青い夜を思い出しました。
行く道々で空に見た星座の数々を思い出しました。ここの空は暗く、
重く、ベールに包まれたようで、静かだと思いました。何の声も
聞こえず何も見えません。目の前には男が願い続けた無言で閉ざさ
れた空が広がるばかりです。
天使たちの祈り−はるか昔の夜にユダヤの透明な空に響いた
喜びと信頼と結束の祈りを大きな声で唱えました。言葉は雪の
静けさの中、一言一言高らかに響きます。
「故郷の空と平和のもと、良き心を持った男たちに神の栄光あれ。」
すると木立の暗闇の中遠くに、小さな灯りが見えはじめました。
「おお神様、ありがたい。」男はつぶやきました。「あれは火だ。
きっと誰か自分のように道に迷った木こりがたき火をしているのだ。
私の祈りは届いたのだ。灯りの所に行き、その男とともに夜が明ける
のを待とう。」
馬がいななきました。馬もまた灯りを見たのでしょう。
励まされるように、男と馬はまた前進し始めました。
灯りは輝き続けます。その輝きは大地から空へと、円錐形の
形をとっておりました。。
大きく輝く三角形。森の中でひときわ高い頂き。
その時森全体が輝きました。氷が輝き雪がその無垢で美しい姿を
見せました。新鮮で多彩な空気、美しいせん光が枝や幹の間から
差し込みます。
「何と美しい火だ・・・。」男は思いました。「こんなに美しい火は
見たことがない。」
しかし、その光のもとに着いた時、それが火ではないことが
わかりました。気づかずにいたのですが、それは彼の家のある場所
でした。彼の家の隣には大きな茂ったその森では一番大きなモミの
木があり、灯りで飾られていたのです。
クリスマスの天使たちが、男に彼の家を知らせるために10個の
きらめく星々で飾り付けていたのでした。
このお話は、人から人へと伝えられ、あっと言う間に北の国々に
広がりました。このため、クリスマスの夜にはツリーに灯りを灯す
ことになったということです。
(舞台はデンマークですがクリスマスにちなみまして載せました。
Sofia de Melo Breyner Andresenの「デンマークの男」より)