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1999年9月28日その日は学校時代の友達、マリシオ、アンゲリーナ、スザンナ、
それに私とダンナの5人でお昼ごはん。
日本料理店「彩」にてのマリシオの歓送会の日でした。
メキシコ人マリシオは建築の勉強をしており、2年前にリスボン大学の
大学院に留学しましたが、リスボン大地震などや建築関係の研究を
一通り終え、今度はイギリスの大学院に留学するのであります。
イギリスには何年いるの、と聞いたら3年か4年だよ、と答えます。
出発は2日後。
それまでは週に一度くらいの割で会っていたので、いざいなくなると
言うのはとても寂しいことでした。
12時半にダンナの職場で待ち合わせ。
今日こそ時間通りに来てね、と何度も念を押しましたが、案の定
アンゲリーナは20分遅れて来ました。(来ただけいいけど。)
私たちが今まで会って食事する時は大抵ポルトガル料理か中華
料理で、日本料理屋さんに行くと言うのは稀でありました。
理由は待ち合わせ場所がいつも学校の隣りの映画館で、
その近所でばかり食事していたからです。まあ日本料理屋は
高めだな、と言うのもあるけど。行ったのはサッポロに一回、
ボンサイに一回・・・・。
以前サッポロに行った時はアンゲリーナと2人で。
日曜日、どちらのダンナもゴルフで出かけてしまった時であります。
「クリ、私、何食べたらいいか分からないからクリが選んで。」
「んー、外人の人はトンカツなんか結構好きだよ。
私は冷や中にしようかな。」
「じゃあ、それ頼もうかな。」
暫くして出て来たとんかつを、アンゲリーナはじっと見つめました。
一口食べて「美味しい! 日本料理って生魚ばっかりかと思って
いたら、こう言うのもあるんだね。」と嬉しそうです。
「うん、サッポロはカジュアルなレストランだからね。お寿司とか
お刺身は置いてないよ。もっと、何て言うか、日本で一般的に
食べているものが置いてあるの。」
「うんうん、美味しいよ。」
アンゲリーナはパクパク食べていますが、ふと見るとソースを
全然使っていません。
「アンゲリーナ、これ、かけた方がずっと美味しいよ。」
「これ、何? チョコレートでしょ。」ちょっと顔がイヤそうです。
「あはは。違うちがう。とんかつのソースだよ。かけてみてごらん。
美味しいから。」
半信半疑の表情なので私はパッととんかつソースを一部のカツに
かけてしまいました。
「きゃあっ。」
「食べてみてってば。」
おそるおそる、フォークでとんかつを取り、口に入れたアンゲリーナ。
「美味しいっ!」
「でしょ〜。」
それからは、喜んで、パクパクと全部食べてしまいました。
あのサッポロでの食事が一回、それからマリシオとアンゲリーナと
3人でボンサイに行った一回。
(あの時もアンゲリーナはとんかつを食べていた・・・・。)
何でボンサイに行ったんだっけ。
ああ、そうだ、マリシオと話してたときに、
「クリ、僕は昨日ついにスシを喰ったぞ! すごく旨かったよ。」と
言ったのがきっかけだったっけ。
「どこで食べたの?」と聞くと、
「コロンボでだよ。」と言います。
ああ、コロンボショッピングセンターの東京エクスプレスって言う
ファーストフードの日本料理のお店でだ。あそこかあ。
それで、知っている日本料理のレストランのほうが美味しいよ、
と言ってボンサイに行ったんだ・・・・。
その日は月曜日で彩はお休みだったし。
マリシオはボンサイで「東京エクスプレスと同じだと思うけど・・・・。」
って言ってたな。(^^;) ネタの大きさもごはんも違うはずなんだけど。
(何となく東京エクスプレスのは「小僧ずし」と言った感じです。)
そして今回の彩。
彩は、日本人の間でも美味しいと評判のお店で、リスボンで一番
美味しい日本料理屋さんであります。
「何食べる?」
写真つきのメニューを見ながら、暫く迷っていたみんなは
「分からないからクリにまかせる。」と言います。
「じゃあ、うーん。いろいろ入っている彩弁当にしようか。」
とダンナに聞くと
「うん、いいんじゃない。いろいろ入ってるし。」とのこと。
「スザンナはお刺身食べられる?」
「食べたことないけど、挑戦してみるから大丈夫。頼んで。」
「ちょっとお値段張るけどいいかな?」
「うん、折角来たんだから、いいよ。クリにまかせるよ。」
彩弁当はお刺身を始めとして、揚げ物煮物各種がぎっしり詰め
込まれている豪華なお弁当です。
出来るまでの間、皆で今までの思い出話で盛り上がりました。
「クリはポルトガル語、うまくなったねえ。」
「そんなことないよ。まだ全然ダメ。それでも学校にいた時よりは
まだ良くはなったかな〜。」
「いやあ、全然違うよ。格段に違う。」
「あの頃、私全然しゃべらなかったもんね。授業の時は閉じた貝の
ようだったし。」
「クリだけじゃないわよ。マリシオはよくしゃべるから、私たちも
授業中はしゃべらなかったわよ。」
とスザンナが笑いながら言います。
「でもねえ、授業の後お茶とか飲みに行ったじゃない。あの時、私
皆が何しゃべってるか全然分からなかったよ。分からないのにあの
場にいて、居づらい気持ちだった。」
「あっはっは。そうだったのか。言えばいいのにー。」
「そんなこと言えないよー。私ね、授業中とか考えてたよ。
どうしてこんな出来ない私と、こんなにしゃべれるマリシオが同じ
クラスなんだって。
マリシオてば授業時間中ずーーっとしゃべってたもん。」
「ははは。僕は文法がまったくダメだったからね。クリ、今だから
言うけどさ。あんなにしゃべれたのは当然なんだよ。」とマリシオ
がニヤリと笑います。
「なんで。」
「僕、授業中、分からないところは全部スペイン語しゃべってたんだよ。」
「えっ、そうなの?」と、スペイン人スザンナのほうを見ると、
クスクス笑いながらウンウンと頷いています。
「だから、しゃべれたのも当然だし、分からないのも当然だったんだよ。
あっはっは〜。」
それから暫く皆で昔の思い出や、これから先どういうことをするか、
等々の話をしました。
彩弁当がやって来ました。
「ワオ! これはどうやって食べたらいいんだろう。」
「ナイフとフォークを頼もうか?」
「いや、折角だからパウジーニョ(ハシ)で食べるよ。」
えい、えい、とお箸と格闘しているマリシオを見て、見かねたダンナが
「ちょっと貸して。」と言い、お店の人に輪ゴムをくれるよう頼みました。
割り箸の包み紙と輪ゴムで器用に、ピンセット型のお箸を作ります。
「オウ、これはいいよ。」そう言ってマリシオは食べ始めました。
アンゲリーナとスザンナは降参。ナイフとフォークを頼みました。
最初はビールを頼みましたが、次に何を飲もう?と言った時に
「じゃあサケにしよう。」と言う話になり、熱燗を頼みました。
熱燗は1合徳利。あっと言う間になくなります。
お酒を飲んで、更に皆で盛り上がります。
アンゲリーナとスザンナに彩弁当は多かったらしく、残してしまった
のですが、「食べないのなら僕が貰うぞ。」と言って、マリシオは
それも食べてしまいました。
(マリシオは身長185センチくらいはある長身であります。)
それから「写真だ、写真を撮ろう」とマリシオは張り切ってカメラを
取り出しました。
ああ、マリシオ、本当にイギリスに行っちゃうんだ。
もう会えないんだ・・・・。
写真を撮るその時になって、すごい悲しみが押し寄せて来て、目頭が
熱くなるのが分かります。
「クリー。」
「クリー。」
「おっ、お前、泣いてんの?」ダンナがちょっとニヤニヤしています・・・・。
ああ、なんで折角写真撮るのに涙が。我慢しろ。我慢だぞ。
涙を必死でこらえて、「大丈夫、写真とろ。」と言うとマリシオが
パチパチと写真を撮り始めました。
「僕が撮るから。」とダンナがマリシオに言うとマリシオは嬉しそうに
「じゃあ・・・。」とダンナにカメラを渡しました。
写真を何枚か撮った後、今度はお店の従業員の人に頼んで、
全員で写真を撮ります。
「オブリガード。」とお店の人にお礼を言い、再び席に着いたら
今度こそ涙が止まらなくなってしまいました。
「クリー。これで最後じゃないし。僕は、また来るよ。
たぶん、クリスマスにも来るし、パスコアにも来るから。」
「うん、うん。」
「本当だよ。研究レポートを仕上げるのに、またリスボン大学院に
行かなくちゃだから、ちゃんと戻ってくるよ。」
「うん、うん。」
ああ、泣きたくないのに涙が出てしまう。
私の顔は今真っ赤なんだろうなあ。いい年して恥ずかしいなあ。
それでも、少し経って落ち着き、私たちはお店を出ました。
カイス・ド・ソドレまでスザンナとアンゲリーナと一緒にタクシーで
行き、マリシオはそのまままっすぐ大学院へ・・・・。
私はスザンナとアンゲリーナと別れた後も、マリシオのことを
考えたらすごく悲しくなって、タクシーの中でも少し泣いてしまった
のでした・・・・・。