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 新年スタジアム初観戦1 


 ブラジルの年末年始旅行から帰って来たのが1月2日の夜。

3、4、5日と旅行後の後かたづけやら何やらで忙しかったのですが、

ようやく余裕が持てるようになったのが6日の日。

5日の朝からダンナは「明日の今年の初戦、カンポマイオレンス戦の

チケット買おうか。」と言っていたのですが、折しもリスボンは

台風のような暴風雨で天気がとても悪く、当日買おう、と言うことに

落ち着きました。普通なら雨少しくらいなら行ってしまおうか、

と言うところですが、息子のセキが少し酷くなっていて、雨の中の

観戦は避けたかったのです。「えっ、アルヴァラーデいかないの?」

と言う息子に「まあまあ、雨が降らなければ行くし、降ったらダメだよ。」

とよく言い聞かせておいて、様子を見ることにします。

 

 さて6日の朝、起きたら前日の暴風雨は去り、青空が見えていました。

「あれ、これ今日行けるねえ。」「うん、大丈夫かも。」と話していた

のが早朝のことだったのですが、息子を日本語補習校に送っている途中に

バラバラと大粒の雨が・・・・。 お天気はまだ不安定ではっきりして

いませんでした。それでも12時近くなりまた青空が見えはじめると、

ダンナは突然「今年初だ!やっぱり行こう!」と言いだし、チケットを

買いにスタジアムに出かけて行きました。

チケットを購入したあとにダンナが興奮して電話をかけて来て

「選手たちが練習しているからちょっと見て帰るね。」と言います。

後から聞いたら、どうもその日出場しない選手たちが練習していたようです。

シュマイケルやエドゥミゥソンなど。私はここのところサッカー

ニュースから思い切り離れていたのですが、シュマイケルは去年の

暮れからまあまあいい調子になって来たと聞いていたけど、

一体いつ以前のように守るようになるのかなあ、なんて思ったり

していました。今日出るといいんだけど。そのメンバーの中にいたと

言うことはやっぱり出ないのかな?

 

 さて息子はその日の午後は友達の誕生会にお呼ばれしていたので

学校で書いた書き初めを置いて出かけました。ちなみに書き初めは

「えび」ですと。(笑) 帰って来てからいつものようにスポルティングの

リュックに小さなマフラーを二つと大きなマフラーを2つ入れ、

緑のカッパを3つ、それに双眼鏡を用意し、息子は風邪引きなので

すごい重装備をさせた上にホカロンを持たせ、自分たちもいっぱい

着て地下鉄でスタジアムに向かいました。

7時からの試合に6時15分くらいに到着したのですが、警備員

チェックはほとんどなし、スタジアムの前も中も予想外にガラガラ。

いつもの様にたくさん人がいるわけではありませんでした。クリスマス

休暇でみんないないのかな?と思いつついつもの席に向かいます。

途中、日本人のカップルらしき男女がスポルティングのマフラーを

首に巻いて、写真を撮っていたりしたのでちょっとびっくり。

ソシオ席で日本人を見たのは初めてだったからです。

(でも写真を取りまくっていたところを見るときっと観光客だと思う。) 

空には星が出ており、遥か向こうにモクモクと雲が見えているものの、

多分雨は降らないだろうなと思いました。いつもの席には久々に会う

スポルティンギスタの老夫婦がいました。

「オーラ、久しぶりです。」

「随分来なかったね。」

「年末に一度来たんですよ。でもそちらはいらっしゃらなくて。」

「あれ、そう?」

「うちは息子が病気で長いこと来られなかったんです。」と言うと

「もう大丈夫なの。」と聞きます。

「大丈夫です・・・・。」と言いかけた時に、奥さんのほうが

「ああっ。」と叫びました。周りの人が一斉に彼女のほうを向きます。

実は彼女はイヤホーンでラジオを聞いていたのでした。

「どうなった?」「どうなった?」と周りが一斉に聞き、彼女が

「ポルトが1点入れたわ・・・・。」と言うとダンナさんの方が

「ああ、入っちゃったか。」とイヤ〜な顔をします。

回りもがっくり。

ポルトは対Eアマドーラ戦で、私たちが家を出る時には1−0で

負けており、やったぜと思いながら外出したのですが、どうやら同点に

なってしまったようです。

「同点ですか。」

「同点だよ。あー。」

「でもまだ終わってないですよね。」

「あと15分くらいだね。」

「うわー、ポルト負けないかなあ・・・・。 誰が得点したんですか。」

「フォーリャだよ。参ったね。」

おじさんがため息をつきます。

「ドゥルロヴィッチいないから今日は有利な筈なんですけどね。」

そこに例によってイネステイシェイラ(学校の友達)がちょうどやって

来て、二人で手を繋ぎながら上の方に行ってしまいました。

友達といるほうが息子も楽しいだろうし、試合中気が散らないから

いいか、くらいの気持ちで送り出しフィールドを見ているとGK

ネルソンが出て来ました。

「あれえ、ネルソンだね。シュマイケルじゃないんだ。」

「言ったじゃん、今日の昼間、試合に出ないメンバーが練習して

 いたって。シュマイケルそこにいたから出ないよ。」

「長いねえ。」

「でもネルソンもいいグアルダレッデス(GK)だよ。」

「そうだけどパフォーマンスが地味だよねえ。」

「シュマイケルと比べるからだよ。」

ネルソンはさわやかでいい男、私のイメージは「実直な板前」ですが

ダンナのイメージは「女にもてまくりだけどクール」だそうです。

彼がナショナルチームのGKやったらファンが増えるだろうな〜、

事実スポルティングではシュマイケルの控えとは言え、ここのところの

活躍でだんだんとその地位を確立しており、知名度もかなり上がって

来ました。それにしても晴れているせいかすごい冷え込み。

貼れるホカロンをジャケットの中に2枚貼り付けて来て本当に良かった

です。向こうの座席では先ほどの日本人カップルがまた写真を撮って

おり、行って2人一緒に撮りましょうかと言おうかなと思ったのですが、

カメラが一眼レフだったのでやめました。(^^;)

 

「うう、冷える。私試合始めまる前にもう一度トイレに行ってくる。」

と言って試合15分前、まだ選手が練習をしている時に席を立ち、

トイレに行って、いつもトイレにいるおばちゃんから紙を受け取り

用を済ませて出ると、外では他のトイレから出た女性がおばちゃんに

チップを渡していました。

(ええっ、このおばちゃんにはチップあげるんだ?

 今まで知らなかったよ〜。いっぱいスタジアムに来ているのに。)

とびっくりして、その女性が去った後「チップが習慣とは知らなくて、

今まで何度も来ているのに払わなくてごめんなさい。」と言うと

おばちゃんはニコニコして「そんなのは気持ちだからいいんだよ。」

と言います。「今小銭ないから後で持って来ます。」と言うと

「ううん、その必要はないから大丈夫よ。」と更にニコニコします。

一応挨拶して席に戻り小銭取ってトイレにまた戻ると

「いいのよ。気持ちのある時で。」と言うので

「でも私今まで知らなくて、知っていたら払っていたし。」

と100エスクード硬貨を数枚渡したらおばちゃんはびっくりして

「こんなに貰えない。」と言います。

「でも、私は去年の夏からずっと来ているから・・・。」

(事実トイレの近い私はさんざんそのトイレを使っていて、おばちゃん

 とはよく話していたのでした・・・・。)と言うと

「それは気持ちでいいの。」と言い、

私が「気持ちだから。」と言ったらやっと「ありがとう。」

ニッコリと笑って受け取ってくれました。

なんか、無理やりだっただろうか、こういうまとめた渡し方って

何だか良くなかったのかなあ、と思いつつ、でもいいや、と思って

席に戻りました。トイレおばちゃんがいるところでは、やっぱり

基本的にはチップ必要なんだなあ。映画の案内員や、スタジアムの

案内員にもチップは必要だったけど・・・・。

チップについてはいつも払うか払わないか悩んでしまいます。

 

 席に戻ったらソシオ席は少し埋まっていましたが、それ以外は

相変わらずガラガラでした。

「ああ、もうっ、ポルト2−1で勝ったわよ!」と前の席の老夫婦の

奥さんの方がイヤホーンを外しながらいまいましげに言います。

「えっ。ポルト勝ったんですか。」

「2−1だよ。」

「えーーーっ。最低ですね。2点目は誰が入れたんですか。」

「ドミンゴシュだ。ああ、ポルトが負けてスポルティングが

 勝てばねえ・・・・ああ。」おじさんはとても口惜しそうでした。

(もちろん私たちも口惜しい。ポルト大嫌いだし。)

さてこの日のスターティングメンバーはネルソン、セーザー・

プラテス、ベト、アンドレ・クルシュ、ルイ・ジョルジュ、

パウロ・ベント、デルフィン、ムペンザ、ロドリゴ、Jピント、

アコスタです。

相手のカンポマイオレンス戦はホームではここ4年ほど負け知らず。

4年前にはなんと7−1で勝っていました。と言うことは今日も勝てる?

 

 ピッ、

試合開始の笛が吹き、試合が始まりました。

いやあ、気持ちのいいこといいこと。

危ない場面は殆どなく、ゴールチャンスは何度か続き、ネルソンの

いるこちら側のゴールには相手選手たちは殆ど来ません。

「いい調子じゃない。」

「いい調子でも得点出来ない時は全然ダメだからな。」

と言いつつも、度重なる相手のファウルを審判が取らないのに観客席は

ブーブー。おまけにこちらの、オフサイドには見えないものにも

オフサイド判定が。(きっとビデオで見たら微妙なんだろうけど)

あちこちから審判にブーイングが起こります。

審判ブーイングがあるものの試合は好調。アンドレ・クルシュの

フリーキックのチャンスには祈るような気持ちで見ていましたが

相手のガードに跳ね返り入らず。

Jピントが走りまくっています。

「今日なかなかいいねえ。」

「ジョアンピントか、アコスタが点入れないかなあ。

 今度の監督ってムペンザよく使うよね。」

「そう?」

「この間も使ってたよ。」

「へええ。おおっ、いけえええええ!」

なんて話しながらも応援していたら、ジョアンピントが相手のゴール

少し手前で転びました。

「おおおっ、これはチャンスだぞ。」

ネルソンの近くにいたアンドレ・クルシュがタラタラと走って相手の

ゴールに向かい始めました。アンドレ・クルシュがフリーやコーナーで

走るときや練習で走る時はなんだかタラタラしているのであります。

「あーあ。」って感じで。(そこがまたいいのですが)

彼のフリーは今まで何度も何度も見ているので、フィールドの遠くに

見える彼のシルエットだけでどんな表情をしているか想像出来ます。

間の取り方とかも、何度も何度もビデオで繰り返し見て来たので。

「蹴るぞ。」とダンナが言った瞬間、アンドレ・クルシュの左足から

蹴り出されたボール、キーパーがジャンプしたのですが間に合わず、

バフン、とゴールの右コーナーに突き刺さりました。

「い やった〜〜〜ぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

そこにいたスポルティンギスタたちが一斉に飛び上がって、抱き合い

叫んでいます。後ろの方から息子が興奮してわめきまくる声が聞こえて

来ました。

場内にはゴーローーーーーーーゴーローーーードアンドレ・

クルーーーーシュ!と言うアナウンスとともにチラリラリ〜と言う

音楽が流れ始めました。人が少ない場内でしたが一気に活気づきました。

1−0!

よしよし、まず1点!

 

 その後、パウロ・ベントのゴールチャンスなど、敵ゴールに攻め込

むチャンスがたくさん。結構白熱して見ていたですが、前半一度だ

けヒヤリとしたことがありました。フィールド中盤からカウンター

アタックで相手チームのトラオンがボールをキープしたまま走り、

スポルティングの選手はボールを奪うことが出来ず、なんとゴールの

ネルソンの真ん前まで行ってしまいました。

「うあっ、はいるっ!」ダンナと私が叫んだのが同時。

トラオンが思い切り蹴ったボールはゴールバーに当たって跳ね返り、

それをまた相手チームの別の選手がヘディングしました。

「うあーーーー・・・・びっくりさせないでくれよ〜。」

ヘディングしたボールをネルソンは軽く受け止め、セーフ。

でも最初のシュートは本当に危なかった・・・・。

入らなかったのは本当にラッキーだった・・・・。

 

 この日特別光っていたのはもう「使ってくれないスポルティング

ではプレイしたくない」表明を出したロドリゴ・ファブリでした。

今まで彼は確かに出番が少なかったし、出たとしても活躍を余り

しなかったのですが、この日は彼の意地がかかっていたのか

素晴らしいプレイの連続。積極的にボールを取りに行き、よく動きます。

ロドリゴ・ファブリってこんなにいいプレイをするんだ?と

驚いてしまったくらいです。そう思って見ていた人は多いのでは

ないでしょうか。

それにやっぱり凄いのがジョアン・ピント。彼は得点こそなかなか

しないものの、ともかくよく走る、走る、走る。休まずに走り

回っています。得点はなくてもあれだけ常にボールの周りに

来られたら相手にはいかばかりのプレッシャーでしょうか。

ジョアン・ピントは「よく転ぶ」「わざと転ぶ」というので

ポルトガルでは結構知られていますが、よく転ぶのはあれだけ

動いているから当たり前のことで、わざと転んでいるようには

とても見えません。もっとも、よく転ぶため受け身などは自然に

身についているとは思いますが。(くるりんとキレイに転びます。(^^;))

 

 それに対して悲しいほど精彩を欠いていたのがアコスタ。

ともかく走らない。ちったあ走れよ、と思うくらいに走らない。

で、ボールはうまく合わせられない。チャンスをことごとく無様に

潰してばかりなので、観客席からもの凄い罵声を受けてばかりです。

調子悪いのでしょうけど、調子悪いにも程があるぞ! 

しっかりしてくれよ!と思わず言いたくなってしまう程であります。

 

 スタジアムはとにかく寒かったです。

その日は余り水も飲んでいなかったけど冷えまくりでまたトイレに

行きたくなってしまいました。とにかく前半が終わるまで我慢しよう、

と思いながら試合を見ていましたが、ロドリゴ・ファブリがすごいすごい。

前半38分には、ゴチャゴチャッとしたわけの分からない状況の中、

観客が一斉に立ち上がり、大歓声。えっ、もしやゴール?

「だ、誰っ?」

「うわあ、いっぱいいて分かんなかったよお。」と騒いでいると

前でラジオを聞いていた老夫婦の奥さんの方が

「ロドリゴ・ファブリよ!」と叫びます。

おお、ロドリゴ・ファブリ! すごいではないの!!

これで2−0! ようし、今日は勝てるっ!

 

(つづく)


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