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さよならアルヴァラーデ2
場内はいつもよりもずっとたくさんの人で溢れかえっています。今日は落とせない重要な試合だからかな?
52000人収容のスタンドは片方のゴール裏を除けばほぼぎっしり。
応援団も力が入っています。
一度引っ込んだ選手たちが試合のためフィールドに出て来ました。
盛大な拍手が起こります。
観客席のほうに挨拶に来たあと、選手たちはフィールドの中央に
輪になって並び、黙とうを始めました。
これ、何の・・・・あっ、この間橋が落ちた大惨事の・・・・・。
フィールドも会場もシーンとしたまま1分間。
形だけではない心からの追悼。
なぜそう思うかって・・・・そう感じたのです。
黙とうが終わって、選手がフィールドに散り始めました。
盛大な拍手がわき起こります。
ダンナが「間にあったあ〜。」と言いながら階段を上って来ました。
「練習からいれば良かったのに〜。」
「しょうがねえだろ、間に合わなかったんだから。
しかし今の黙とう、俺なんだか泣いてしまったよ。」
「黙とうのときにはいたんだ?」
「うん、入り口のところに。黙とうのこと知らずに騒ぎながら入って
来た連中がいてさ、周りにシッ、シッっつって怒られてた。」
「ふうん・・・・・。」
この日のゲームはいつもと雰囲気がかなり違いました。
まず応援団の力の入り方が違う。
それからスタジアムに入っている人数が普通じゃない。
大きなクラブとの試合ではないのにすごいです。
でもふと分かりました。
「分かった! なんでこんなに入っているか!」
「なんで?」
「女がタダだから!」
「ああ。」ダンナもちょっと納得した顔です。
そう言えばスポルティングのマフラー巻いていない人も結構いました。
この日のスポルティングはメンバーも良かったし、試合内容はまあまあ
良かったです。歯がゆいのはアコスタ。ゴールチャンスは幾度となくありなが
らもそれを生かせずに、余計なパスになってしまったり、滑ってしまって
ボールを逃したりと、あとちょっとのところ、と言うプレイが目立った
ことでした。中でもスポルティングのマタドール(殺し屋)と言われる
アコスタはまったく全然ダメ。人のいないところにバックパスしたり、
ゴール前のボールをすかしたり、ボールを簡単に取られたりで無様な
プレイがたくさん・・・・。結構な盛り上がりを見せていた観客席でしたが、
少しがっかりムードが流れ始めた前半のなかば頃、ペドロ・バルボーザが
パウロ・ベントに出したパス、ありゃ、パウロベントの横通って・・・・行った、
スペアーの前に・・・・・
ゴーーーーーーーローーーーーー!!!!
観客席の全員が両手を揚げてウォーーーー!と一斉に叫び立ち上がります。
もちろん私たちも・・・・・・。
スペアーがよろけながらもゴール前に走り痛烈なシュートを決めたのです!
うー、やったじゃんやったじゃん!
1点入れたあ! これで第一歩だぞっ!
フィールドではスペアーに何人もの選手が抱きつき肩を叩いていました。
スペアーは得点した時はいつもユニフォームをめくって書いてある
メッセージを見せます。あの、使って貰えないと落ち込んでいた日々とは
別人のよう〜。
オーレッ、オーレッ!
スポルティングォカンピオエンス オレッ! オレッ!
満面笑顔のスポルティンギスタたちは手に巻いたマフラーをぶんぶん
振り回し飛び上がって歌っています。
応援団が
スペァーウォゥウォゥウォゥオ
スペァーウォゥウォゥウォゥオ
と、スペアーの応援歌を歌い始めました。
「おっ、スペアーの応援歌が出来てる〜!」
「ここんとこ調子いいからな〜、作ったんだろ。」
この手のはアコスタのマタドールの歌と、ペドロバルボーザのしか
聞いたことがなかったのでちょっぴり嬉しかったりして。
それにしてもロドリゴ・ファブリといいスペアーといい、試合に
出して貰えなくてすごく不満に思っていたのが、出るチャンスが
出来てその度活躍して・・・・・本当によかったね、と思います。
スポールティーーーーング!
スポールティーーーーング!
スポールティーーーーング!
スポールティーーーーング!
スタジアムの両サイドからのスポルティングコールの応酬が暫く
続きました。場内盛り上がっています!
さて前半、攻めるも攻めるも、なかなか追加点は入らず、また
Avesはカウンターアタックが半端じゃなく早いので(黒人選手が
4人くらいいて、それが皆走る走る。)スポルティンギスタたちは
ヒヤヒヤしながら試合を見ていました。一度などAvesの選手が
ボールをキープしたままネルソンのいるゴール前に突っ込み、
あわやゴールかと息をのんだのですが、なんとかネルソンがうまく
はじいてことなきを得ました。
「ひえーっ、やめてくれよなー。」
ふぅぅぅぅ、と場内に安堵のため息がもれます・・・・・・。
ジョアン・ピントが転倒して頭に膝蹴りをくらい流血する、と言う
ハプニングなどもあった前半は、結局1−0のまま終了。
「追加点取らないと心配だよねえ。」
「うん、Aves相手に1点だけじゃなあ。」
「ジョアン・ピント大丈夫かな?」
「ジョアン・ピントが抜けたら痛いよなあ・・・・・。」
後半が始まりました。
ジョアン・ピントは髪をなびかせながら出てきました。
頭に巻いていたものも取れているので、どうやら大丈夫そうです。
スポルティングはいつも後半になるとスタミナ切れになるのか、
余りいいプレイをしなくなります。
パスは通らなくなるし、見るからに疲れてるって感じ。
前半は力の入っていた応援団も後半も15分をまわったあたりから
だんだん静かになって来ました。
アンドレ・クルシュのフリーキックやらコーナーキックやらの
チャンスが結構あるので期待するのですが、この日はまったく
奮わずダメ。おまけにアコスタがゴール前でドジばかり踏むので
場内には険悪な空気が漂い始めました。明らかに皆アコスタが
プレイしているの不満を持っているのです。
「ちょっとー、応援団、音出さなくなっちゃったじゃないー。
アレじゃダメだよー。雰囲気がどんどん悪くなっちゃう。」
「この辺がベンフィカと違うところだよなあ。」
応援団が音を出さない、シーンとしたスタジアムはとても居心地が
悪く、きっと選手もこの空気を感じ取っているのかと思うと
悲しくなりました。
「あれー、アコスタとうとう交代だ。」
「当然でしょう。もっと早く交代させた方が良かったんだよ。」
交代の時には大体場内からパチパチと拍手がわきますが、この日の
拍手は「よくやった拍手」ではなくて「変わってよかった拍手」で
あります。代わりに期待の新人ロドリゴ・テーリョが入りました。
場内は白けたままの雰囲気です。
そしてアコスタが交代してまもなく情勢が変わりました。
シーンとして白けた空気の中、ペドロ・バルボーザがボールをキープ
したまま中盤から一気に走り、阻む一人を抜き、二人目を抜き、
ゴール右横に走り出たのです。
「うわっ、入る、入るぞ!」
ダンナがそう叫んだ瞬間、バルボーザは目の前にいるキーパーの
頭上にフワリとボールをけり出しました。
入った!
ゴーーーーーーーーーローーーーーーー!!!
それまでシーンと静まり返った観客席がウォーーーーー!と叫びながら
一斉総立ち! スポルティングの2点目です!
フィールドではジョアン・ピントがバルボーザに抱きつき、
それから何人もの選手たちがだんごのように重なって行きました。
喜怒哀楽の激しい観客席ですが、2点目が入ればこれでだいぶ安心。
その後ヒヤリとする場面が何度もあるものの、スポルティングは
何とか逃げ切り2−0での勝利!
場内にはホッとした安堵感が広がります。
考えていることは皆同じ。
ああ、勝ててよかった。これでまだ前に進める。
これが最後のアルヴァラーデ、笑顔で後にすることが出来たのです。
試合終了の笛が鳴り、いつもならば地下鉄が満員になる前にと急いで
出口に向かうところですが、これが最後の試合。
帰ろうとする息子の腕をつかみ、スポルティングの選手たちを目に
焼き付けておこうと、拍手をしながら去っていく選手たちを
ダンナと一緒に立ち尽くしたまま見つめていました。
楽しかったな、ここに来るのが。
こんな風にフィールドを見つめるのはきっとこれが最後。
大好きなスポルティング。
大好きな選手たち。
緑一色の観客席。
轟く歓声と一体感。
ずっとずっと忘れないよ。
さよなら、アルヴァラーデ。