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 対韓国戦・真っ赤なスタジアム4





 これで1−0だ・・・・・・。

あと、20分?

20分以内に点を入れないと、勝てない!

でもあと20分ある! 点、取れるよ! 取って! お願い!

ルイ・ジョルジュがアベル・シャヴィエールと交代になりました。

ルイ・コスタはもう出て来ないのかな。

ルイ・コスタも出て来て、立て直してくれないかな。

あの、快勝したポーランド戦の時みたいに!



 そこからは、ポルトガルの動きが一気に速くなりました。

点を取らなければ、もう次へ進めない。

ここで、負けるわけには行かない。

どうして、最初っから、こうしていなかったの!? ねえ!?



 ここで、キム・ナミルがプティへのファウルでイエローを喰らい

(そうだよー、もっと韓国側のファウルもちゃんと取ってよね!!!)、

絶好のフリーキックのチャンスがやって来ました。

いい位置で、まさしく絶好の!

フィーゴが蹴ります。

「入れてくれ、頼む。」と、ダンナ。

「いれてー、フィーゴー!」と、息子。

Nさんは黙っています。

私は息を飲んで見つめていました。



 「フィーゴォォォォーーーーッ!!!」 アナウンサーの叫び。

でも、直接狙ったボールは左にそれて、飛んでいってしまいました。

ああああああ。

フィーゴが両手で、顔を覆っています・・・・。

オリヴェイラ監督が、目をつぶって天を仰いでいます・・・・。



 ヌーノ・ゴメスがプティに代わって入りました。

ああ、ルイ・コスタは結局出ないのか・・・・・・。

ヌーノ、頑張って。頑張って。どうか点を取って頂戴。

あと10分しかないんだから!



 しかし、韓国も何度もゴール前に攻めて来ます。

ポルトガル必死の攻防。

これ以上点を入れられてはたまりません。

なんたってこっちは9人しかいないのよ。

守って、そして更に1点は取らなくちゃならないのよ。



 大韓民国コールの中、ゲームは続きます。

パク・チソンを倒したジョルジュ・コスタがイエローカードを喰らいました。

ああ、これでもし決勝トーナメントに行ったとしても、ジョアン・ピントも、ベトも、

ジョルジュ・コスタも出られないんだ。ああああ。

84分。あと6分プラスロスタイム。

ヌーノが、シャヴィエールから、ジョルジュ・アンドラーデへボールが渡り、

しかしクリアされちゃったボールが再びヌーノのところへ! シュートして!

でもクリアされてしまいました。(泣)

クリアされたボールはパウロ・ベントへ、彼から大きくゴール前へロングパス・・・・ヌーノがいる!

オフサイドじゃあない! ゴールのまん前! ヌーノの前に落ちた!!!!

入れてっ!



 ・・・・・・ぁぁぁぁぁぁ、合わせられない、足が届かなかったよー。

ヘロヘロと、転がるボールは飛び込むキーパーの腕に。

試合は俄然白熱して来ました。

セルジオ・コンセイサオンがボールをドリブルして韓国ゴールに突進、

ヌーノがそのパスを受けたけれども、ホン・ミョンボによるクリア!

シャヴィエールの左サイドからのスローイン、時間はもう88分、

ゴール前で弾んだボールをコンセイサオンが見事に右足で、

シューーーーーーーーーーーートッッッッ!!!!

あああああああああっっっっっ!!!!

ボールはゴール左ポストに当たって跳ね返った!

あと、あと少しだったのに、本当に、あと、ちょっとだったのに!!!!

画面には、頭を抱えて歯を食いしばるコンセイサオンが映っています。

ああ、あと1分しかないよ。1分。

韓国は必死のクリアをしながらボールを戻して、ガラ空きのポルトガルゴール前にパス!

アン・ジョンファンがいる! やめて!やめて! シュート! 

・・・・・ああああ、バイーアの手に当たって右にそれた・・・・心臓に悪いよ〜・・・。



 90分になりました。後はロスタイム。

何分ある? 何分ある? あと、3分!

韓国も気を抜かず、攻撃を続けて来ます。

ああ、もう時間がない、時間がない。あと1分しかない。

韓国ゴール前で、コンセイサオンがボールを受けた! 

韓国のディフェンスをかわして、かわして、かわしてシュートぁぁぁぁぁぁぁ!

ボールはキーパーの手に当たってまた外へ!

コーナーだ。これが最後のチャンス! これが最後のチャンス!

どうか、入れて下さい! 

これで入れて、決勝トーナメントに行かせてください! 神様!!!

フィーゴが全速力で右コーナーに走ります。

お願い、フィーゴ。どうか、入れてくれ!



 しかし、ボールは大きくクリアされ、最後のチャンスも、終わってしまった・・・・・。

笛の音も、聞こえなかったよ・・・・・・。



 「試合終了! 試合終了! 韓国ワールドカップ2勝目! それも、このグループD!

もっとも強敵と言われたポルトガル相手に1対0勝利!」

アナウンサーが、興奮して叫んでいます・・・・・。

セルジオ・コンセイサオンが、ピッチに座り込んだまま、顔を伏せて泣いています・・・・。

ユニフォームの交換も、ありません・・・・・。

スタジアムの大歓声が空しく響いて聞こえます。

試合は、終わりました。



 2000年の欧州選手権で、UEFAの不公平なジャッジによりフランスに

屈辱の敗退を喫したあの日から2年、

あの悔しさを忘れずにずっとワールドカップの予選の試合から、

ポルトガルがワールドカップに出場して勝ち進むのを夢見てた。

ポルトガルにいる時はスタジアムまで応援に行ったし、

ポルトガルにいる友人たちや日本のポルトガルファンと、

ポルトガルが勝ち進む喜びを分かち合いました。

日本に帰ってからも、スカパーで試合を見てずっと応援して来ました。

その幕切れがこれなの? 信じられない! 

2年待った・・・・ずっとずっと応援しながら待ってた。

小国ポルトガル、そのサッカーはとても大きく素晴らしいものだと

世界中の人に知って欲しかったのに、9人に動きを封じ込められてしまって。

そして、本来のサッカーを見せることも出来ずに、

再びやり切れない思いでスタジアムを去ることになるなんて!



 息子は翌日サッカーの練習があるので本来は早く眠らなくてはならないのに、

もう時間は10時半をまわっています。

息子は一人で寝てはいるけど、取りあえず寝る前にはそばに一瞬でも行かなくてはなりません。

「ママ、ぼくもうねる。」

「うん、寝なくちゃだよね。」

「すごくかなしいよね、ポルトガルがまけちゃうなんて。」

「そうね・・・・・。」

私が息子の部屋に行こうと立つと、Nさんがバツが悪そうに

「ああ、私ももうそろそろおいとまします・・・・・。」と言って立ち上がりました。

玄関まで見送ると「元気出して下さいね。」と言われました。

私の顔はきっと真っ暗だったんだと思います。

居間に戻るとダンナは首を振りながらタバコに火をつけ、

リモコンを取ってパチンとTVを消してしまいました。

「ママー。」

息子が部屋から呼んでいます。

「はいよ、今行くからね。」

そう言って真っ暗な息子の部屋に入り、布団をポンポンと叩いてからふと気がつくと、

洗って置いておいた私の敷布団のガーゼのシーツが見えました。

ああ、そうだ、シーツ、敷かなくちゃ・・・・。

でも、シーツに手を延ばすと同時に涙がぶわっと溢れてきちゃった・・・・・。

シーツを顔に押し付けたらもう我慢出来ない・・・声が・・・いいよ、もう、どうだって。

あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーー・・・・・。

息子はびっくりしていたと思います。

終わった、終わった、もう終わってしまった。ポルトガルが負けちゃった。

こんなに早くいなくなってしまった。

ポルトガルが、ポルトガルのサッカーを、

素晴らしいサッカーを見せて勝ち進むと思っていたのに。

ずっとずっと、決勝まで進んで、横浜に来てくれると信じていたのに。

こんなところで、負けてしまった・・・・・。




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